閉じる

品番がわからない場合


今後の作品展開

今後の作品展開
ランドスケープ的・土木的建築デザインを目指して

テレビ出演というのはあるのですか。

S&K:ちょこちょこはありますね。

仕事以外に好きなことは。禿さんから。

K:最近はももいろクローバーZというアイドル・グループが大好きなんです(笑)。ああいう大衆的な文化が好きで、プロレスも好きですね。

休みのときにはそういうものを見ているのですか。

K:最近、プロレスは夜中しかやっていないので…。DRAGON GATEという団体が好きなんです。そのエンターテイメント性が楽しいんですよね。インスタレーションとか、最近のアートとかを見ても、何か楽しめる要素がほしくて、こちらが考えさせられるようなストイックなインスタレーション作品もありますけれど、そういうのではなくて、一般の人にもリーチするような、わかりやすい楽しさがあるほうがいいと思っています。そういうベタな興行的な面白さをもっと取り入れたいですね。

意外な答えでした。鈴野さんはどうですか。

S:休日の過ごし方としては、娘がふたりいるので、子供が中心で、一緒に遊んでいますね。

趣味は何かありますか。

S:マンガはたくさん読みます。あと、最近引っ越したところに庭があったので、多肉植物とかをデザインで選んで(笑)、育てたりしています。

禿さんは見て感動した建築はありますか。

K:子供のときの話ですが、地元の松江に菊竹(清訓)さんの建物が点々とあるんです。そういうのを子供のときには意識もしていなかったし、建築家の名前なんて全然知らなかったんですけれど、「島根県立武道館」「島根県立図書館」があって、両方ともすごく使っていたんです。昔、剣道をやっていたので。何か他の建物とちょっと違うんですよね。大体怖い夢に出てきたりするんです(笑)。子供ながらに違和感のある空間性というのは、嗅ぎ取っていたのかなと思います。今だに好きですけれどね。

菊竹清訓氏

島根県立武道館

島根県立図書館

テルメ・ヴァルス

リコラ社倉庫

ソーク生物学研究所

シアトル中央図書館

ソフィテル・ウィーン

WORLD CUP

新国立競技場

鈴野さんはどうですか。

S:学生時代に菊地宏ともうひとり後輩とスイスに行ったんです。まだ知られていなかった頃に、ピーター・ズントーの「テルメ・ヴァルス」やヘルツォークの「リコラ社倉庫」を見れたのは良かったですね。今みたいにインターネットが発達していなかったですし、情報がないなかで、『a+u』とかのカラーコピーを持って行って、それを捨てながら歩いていました。住所までピッタリなかったりするので、「なんか木が似て来た」「ここら辺にありそうだ」とか言いながら(笑)、探って行きました。あとは淵上さんと一緒に行った旅行でもいろいろ見ています。

どこに行きましたっけ。

S:ルイス・カーンの「ソーク生物学研究所」とか、レム・コールハースの「シアトル中央図書館」とか、ジャン・ヌーヴェルの「ホテル」ですね。その後、東欧にも行っていて、そのときのヌーヴェルの「ソフィテル・ウィーン」も良かったですね。

建築以外の美術や展覧会などで共感を得たものはありますか。

S&K:アートからは常に刺激を受けていますけれど、今ポンと具体的なものは出てきませんね(笑)。

今後どういうデザインをやっていきたいですか。

S:今まで建築作品ではランドスケープがないような敷地だったので、分野をフラットに扱ってミックスしていきたいというのがあって、家具とか、プロダクトとか、インテリアとか建築が同時にあるようなものでした。もう1歩広げるとランドスケープがあって、ランドスケープと建築がミックスしているような、フラットに扱えているようなものに取り組んで行きたいなと思います。

禿さんは何かありますか。

K:今、いろいろなジャンルを体験できていることはすごい面白いですね。ランドスケープもそうだし、もっと土木的なものにも興味がありますし、トンネルか道路か、横断歩道かもしれないし…(笑)。横断歩道と言えば、交通標識などの白線にふたりとも興味があるんです。今年の9月、山形ビエンナーレ2014でちょっとおかしなサッカーフィールドをつくるというプロジェクトWORLD CUPがあります。それは東北芸工大が主催する新しいアートイベントで、僕らは作家として参加して、皆で体験できるサッカーのフィールドをつくります。同じ方向に攻めるサッカーとか、回り込むサッカーとかを考えています(笑)。新しいゲームをつくってくださいと言われると手が止まってしまうと思うんですけれど、そのときに普通のサッカーの一変数に注目して、ちょっと変えただけでもこんなに変わるんだというのは、僕らの取組みの根本でもあります。これは妹島(和世)さんの「森の別荘」的な発想の中庭タイプで、どっちに攻めて行っていいのかわからなくなってしまうような環状サッカーです。本当にこれとかこれをやってみようという話になって、ここにプロの選手にも来てもらって試合をやる予定です。

それはまたすごい発想で面白そうですね。

S&K:白線って、建築の最小ですよね。白線があるだけで人を誘導することもできるし、最小限の透明の壁です。そういうなかでスポーツの白線って絶対なので、それを少しいじるだけで新しいスポーツをつくってやろうと思いました。プロがやれば絶対に面白くなると思います。

今、「新国立競技場」が話題になっていますけれど、あそこに「サッカーフィールド」のような可変的なソフトを嵌め込んだら…。

S&K:むしろコンペの与件そのものを疑って、ソフトでいろいろ提案したくなってしまうんです(笑)。あんな大きい場所でつくるということ自体が問題になってしまっていて、オリンピックってもっと分散してつくれないのかなとか、街を走ったほうが面白いじゃないかなとか、そういう発想になってしまいます。

今日は面白かったです。どうもありがとうございました。


インタビュー風景


TOTOホームページの無断転用・転記はご遠慮いただいております。

Page Top