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品番がわからない場合


多種多彩な作品群

多種多彩な作品群
トラフの頭脳はプロダクティブなアイディアの宝庫

「ビルディングパズル」を購入したときにお会いしたのが一番最近でしょうか。

S&K:ギャラリー・間で開催された「犬のための建築」展でもお会いしています。

ビルディングパズル
撮影:阿部良寛

「ビルディングパズル」は建築的ですごく気に入っています。このパズルは他のパズルを参考にして、建築的にアレンジしてつくっているのですか。それともパズル性の部分もオリジナルでつくっているのですか。

S&K:パズル性の部分もオリジナルです。

それはすごいですね!

S&K: L字みたいな道路を2個入れてみると、簡単すぎてしまうかなとか、全部がトライ・アンド・エラーです。

やはり自分たちでも繰り返しやっているわけですね。そうすると誰かが他の解法を考えるということもあり得ますか。

S&K: 全部の解答が出切っているわけではないかもしれません。模範解答例として載せているのは13個です。但しミラー反転などは除いています。

ではそれ以外の解法を発見したら…。

S&K: 教えてくださいという感じですね(笑)。

ギャラリー・間の「犬のための建築」展での提案は組み立てるキットになっていました。キットになっているものは他のプロダクトでもやっていましたね。

S&K:「紙のスタンプキット」でしょうかね。「紙のスタンプキット」はオリジナルの「空気の器」をつくれるワークショップでも使えないかというところから始めたんです。

紙のスタンプキット
撮影:吉次史成

「空気の器」は人気ですね。僕もひとつ持っています(笑)。

S&K:ミラノとか、イスタンブールとか、ソウルとかいろんなところで展覧会を開催して、世界中に広まっています。

空気の器
撮影:冨田里美

おふたりには建築家という肩書きがありますが、違うんじゃないかと(笑)。もちろん建築もつくっていますけれど、それ以上に多くのプロダクトをつくっていて、肩書きに違和感を感じませんか。

S&K:ハハハ…(笑)。いろいろやっていますね。

「若手建築家による東日本大震災復興支援デザイン展」の案もユニークでいろいろなアイディアがありましたけれど、あの案の中で生かされたものはありますか。

S&K:あれは「小さな生産者」というタイトルでした。あの展覧会の後に『トラフの小さな都市計画』という絵本を出しています。ここにアイディアがいろいろ出ていて、小さいものからも都市を変えていくことができるという考えがベースになっています。実はその元を辿ると、最初の「テンプレート イン クラスカ」の仕事から始まって、それが後々にも影響を与えていると思います。

小さな生産者

僕はその「テンプレート イン クラスカ」を見て、おっ、この建築家はやるなと思いました。

S&K:そうでしたか。最初から見てもらえていたのですね。「小さな生産者」にも繋がるかもしれないんですけれど、都市計画があって、建築があって、インテリア、物という順番とは逆に、物から発想する機会になりました。

『トラフの小さな都市計画』

当初の事務所は「クラスカ」の中にありましたね。あそこにはどのくらいいたのですか。

S&K:あの事務所には4年で、この事務所に来て6年ですね。

このビルはマルチですね。

S&K:下の階には家具デザイナーの藤森(泰司)さんがいますし、その隣には女性クリエイター4人のユニットkvina(クビーナ)がいます。2階には僕たちとグラフィック・デザイナーの山野(英之)さんがいます。

テンプレート イン クラスカ
撮影:阿野太一

事務所の外観

その方たちと協働することもあるのですか。

S&K:はい。よくあります。

そういう協働作業というのがトラフの強みになっていますか。

S&K:なっていると思いますね。例えば、大きなオフィスの内装もコンペの段階から3者で組んで、プレゼンしたりするので、そういうチーム体制も強みになっています。建築だけで完結させようとしていないところがあると思います。ソフトの提案とかも一緒にしていて、こういうアーティストと組んではどうかということをディレクションもします。

協働した作品にはどんなものがありますか。

S&K:TOTOさんと最近やったもので言えば、アーティストの野老(朝雄)さんにネオレストというトイレの20周年にちなんで20個のトイレの紋様を提案してもらったり、美術家のミヤケマイさんにはトイレの中に文字が浮かび上がるインスタレーションをつくってもらいました。そういったアーティストのコーディネーションも僕らから提案していって、僕らだけで完結していないような広がりをもたせたいと思っています。

藤森泰司氏

現在の仕事量でここの事務所の広さはどうですか。

S&K:最初は広すぎると感じ、グラフィックの山野さんを誘ったのですが、今はもうパンパンです(笑)。打合せをするようなスペースがほしいですね。

山野英之氏

僕から提案です。銀座、青山、ニューヨークのいずれかに、1階が全面ガラス張りのビルを借りて、ショーウインドウいっぱいにトラフのプロダクト的な作品を飾るんです。そしてその裏側の工房で設計をする(笑)。売れますよ!

S&K:なるほど(笑)。

トラフはダンロップとかナイキとかクライアントが非常にいいですが、仕事はどのように来るのですか。

S&K:もちろん初めての方もいますが、知り合いや関係者の方からの紹介が基本的には多いですね。

徐々に名前が知れて、現在はだまっていても仕事がくるでしょう。1回仕事をすると、次に繋がるということでしょうか。

S&K:例えばオフィスの場合だとまた紹介してくれますね。訪ねてくれた方がオフィスを気に入ってくれて、どこに頼んだのですかと。

数多くの作品がトラフのホームページに搭載さていますが、どのくらいあるのですか。

S&K:数えてはいませんけれど、スタッフに確認したところ正確には194個ありました。

やはりすごい数ですね!トラフの頭脳は非常にプロダクティブなアイディアの宝庫ですね!


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