建築家紹介
【第62回】藤村龍至氏に批判的工学主義インタビューを試みる
夏を締めくくる残暑がなく雨天が続く9月初旬、渋谷の桜丘にある藤村龍至事務所を訪れた。渋谷駅界隈の都市開発や雑踏をよそにこの辺りは静かだ。事務所は小さなビルの1階を占めており、朝なのでガラス張りの引き戸を開け放って威勢がいい。内部はワンルームの部屋を本棚で2分し事務所と打合せ室に分けている。藤村さんの背後の棚に、彼の“超線形設計プロセス論”を“プロトタイピング”で実践した「BUILDING K」の模型が多数見えた。
39歳の藤村さんはスリムで中年太りなどとはおよそ関係なく、礼儀正しく真面目な話ぶり。建築界では藤村さんは論客として通っている。建築作品はまだ多くはないが、講演やキュレーション等でも活動しており、聞けば設計と同じくらいの収益を挙げているようだ。多忙なソーシャル・アーキテクトはこの日の午後も福岡出張だった。ニュー・タイプの建築家・藤村さんは、単にいいパトロンから仕事をもらうのではなく、社会的に揉まれた作品をつくりたいという。その気骨やよし!
略歴藤村龍至/Ryuji Fujimura
- 1976
- 東京生まれ
- 2005
- 藤村龍至建築設計事務所設立
- 2008
- 東京工業大学大学院博士課程単位取得退学
- 2010
- 東洋大学専任講師
受賞歴
- 2008
- 第29回INAXデザインコンテスト 審査員特別賞「BUILDING K」※
- 2013
- SDレビュー2013 入選「鶴ヶ島・未来との対話プロジェクト2013」※
- 2015
- グッドデザイン賞「鶴ヶ島太陽光発電所環境教育施設」※
- ※共同作品
主な作品
- 2005
- SHOP U
- 2008
- BUILDING T
BUILDING K - 2009
- 東京郊外の家
- 2011
- 小屋の家
倉庫の家
APARTMENT S - 2012
- 家の家
- 2013
- APARTMENT B
- 2014
- 鶴ヶ島太陽光発電所環境教育施設
APARTMENT N
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