建築家紹介
【第59回】伊東豊雄氏にカテノイド・インタビューを仕向ける
伊東豊雄さんはここ数年で、高松宮殿下記念世界文化賞やプリツカー賞を受賞した、今や押しも押されぬ国際的なスター建築家だ。本来なら面と向かってインタビューなどできるはずのない僕が幸いにもできたのは、西荻窪フォーラムという中央線沿線の建築家たちによる飲み会の幹事を仰せつかっていたからだ。伊東豊雄、松永安光、六角鬼丈、早川邦彦、長谷川逸子、山本理顕、藤江秀一、石井和紘といった話題の面々だった。だが伊東さんは多忙となり、滅多に参加できなくなっていた。そんな矢先、この8月にバルセロナの2作品と、9月には「台中メトロポリタンオペラハウス」をはじめとする台湾の数作品を見学でき、さらにギャラリー・間で「伊東豊雄展」を開催することを知り、インタビューと相成ったわけである。
ところが8月下旬にインタビューの予約で事務所に連絡すると、秘書の方から「9月は東京に2日いるかどうか」という厳しい返事。そこをなんとかお願いすると、きっと苦肉の策を講じていただいたのであろう9月29日(月)にインタビューとなった。
伊東さんは相変わらずの若さと笑顔で人をそらさない。インタビューが終わると、エレベーターまで送ってくれるという丁重さ。僕はすっかり恐縮して事務所風景を撮るのを忘れてしまった!
略歴伊東豊雄/Toyo Ito
AIA名誉会員
RIBA名誉会員
くまもとアートポリス・コミッショナー
- 1941
- 京城市(現・ソウル市)生まれ
- 1965
- 東京大学工学部建築学科卒業
- 1965-
- 菊竹清訓建築設計事務所勤務
- 1971
- 株式会社アーバンロボット(URBOT)設立 代表取締役に就任
- 1979
- 事務所名を株式会社伊東豊雄建築設計事務所に改称
受賞歴
- 1984
- 日本建築家協会JIA新人賞
- 1986
- 日本建築学会賞作品賞
- 1990
- 村野藤吾賞
- 1992
- 毎日芸術賞
- 1998
- 芸術選奨文部大臣賞
- 1999
- 日本芸術院賞
- 2000
- 国際建築アカデミー(IAA)アカデミシアン賞
アメリカ芸術文化アカデミー アーノルドW.ブルーナー賞 - 2001
- グッドデザイン大賞
- 2002
- ヴェネツィア・ビエンナーレ金獅子賞(生涯業績部門)
- 2003
- 日本建築学会賞作品賞
- 2004
- 金のコンバス賞(Compasso d’Oro ADI)
- 2006
- 王立英国建築家協会(RIBA)ロイヤルゴールドメダル
公共建築賞 国土交通大臣表彰 - 2008
- フレデリック・キースラー建築芸術賞
金のコンバス賞(Compasso d’Oro ADI) - 2009
- マドリード美術協会(CBA)金メダル
- 2010
- 朝日賞
- 2010
- 高松宮殿下記念世界文化賞
- 2012
- ヴェネツィア・ビエンナーレ金獅子賞(コミッショナーを務めた日本館が受賞)
- 2013
- プリツカー建築賞
主な作品
- 1976
- 中野本町の家
- 1984
- シルバーハット
- 1986
- 横浜風の塔
- 1991
- 八代市立博物館・未来の森ミュージアム
- 1996
- 長岡リリックホール
- 1997
- 大館樹海ドーム
- 2001
- せんだいメディアテーク
- 2002
- サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン2002(イギリス)
ブルージュ・パビリオン(ベルギー) - 2004
- TOD’S表参道ビル
まつもと市民芸術館 - 2005
- MIKIMOTO Ginza 2
- 2006
- 瞑想の森市営斎場
VicoCity
コニャック・ジェイ病院(フランス) - 2007
- 多摩美術大学図書館(八王子キャンパス)
- 2008
- 座・高円寺
- 2009
- 2009高雄ワールドゲームズメインスタジアム(台湾)
- 2010
- トーレス・ポルタ・フィラ(スペイン)
- 2011
- 今治市伊東豊雄建築ミュージアム
- 2013
- エルメス・パヴィリオン(スイス)
台湾大学社会科学部棟(台湾)
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