- 1.建築家紹介
- 2.世界の2大建築賞を受賞
- 3.魅力の伊東デザイン
- 4.藤江和子さんと名コンビ
- 5.豊富な作品バラエティ
- 6.巨匠は巨匠に魅せられる
- 7.建築作品ギャラリー
藤江和子さんと名コンビ
藤江和子さんと名コンビ
伊東空間にピッタリの藤江和子さんの家具デザイン
「台湾大学社会科学部棟」の図書館のブックシェルフは藤江(和子)さんですか。
そうです。あのブックシェルフはうまくいきました。相当いいですね。台湾には木工の職人にすごい人がいるんですね。竹の集成材であんなにキレイにできるとは思っていませんでした。
白い革張りのようなベンチも座り心地がよかったですね。
藤江さん、こだわりのベンチですよ。あの人も頑固ですからね(笑)。一度これだと言ったら、なかなか引っ込めません。
自信があるということでしょう。
そうですね。
「高雄のスタジアム」は、正式には「2009高雄ワールドゲームズメインスタジアム」というようですが、ワールドゲームズとはどういうものか、ご存知でしたら教えてください。
「ワールドゲームズ」って、日本でも秋田でやったらしいんだけど、オリンピックの競技に入ってないような綱引きとか、そういう不思議な種目だけを扱うようです。それがあちこちで開催されるんですよ。オリンピックの年に合わせているのかな。それで台湾はちょうど北京オリンピックが開かれるんで、それにささやかな対抗手段として、彼らは彼らでこっちのほうがすごいんだと言って、自慢していましたね。
「高雄のスタジアム」は普通のスタジアムと全然感じが違っています。あのスパイラル状の構造はすごいですね。
あれはよくコンペティションで勝たせてくれましたね(笑)。
上から見るとクエッションマークのようですが、風が抜けるのですか。
風が下を抜けるんです。まわりにはビオトープもあって、僕もオープニングの時に行きましたけど、風がよく通っていました。
暑い場所だけにいろいろ考えているんだと思いました。
去年の暮にうちの塾生と一緒に行きましたが、大事に扱ってくれていたんで、感激したんです。
スパイラル状の構造はコンペの時から発想していたのですか。
あれは竹中(工務店)が話を持ってきて、竹中の構造の人と一緒に考えたものです。でも竹中は施工をしないで、施工のアドバイスみたいな役割でした。竹中が親しくしている互助営造という、それほど大きなゼネコンではないんだけれど、すごくしっかりしていて、もう80歳を超えた総裁が頑張っている施工会社です。だから施工がいいんですよ。そのいいチームでコンペティションから臨めたので、良かったですね。
ところで提案された「国立競技場」はその後どうですか。
全然ダメです。改修でいいんじゃないかということを言ったんだけれど、何を言っても全然返事はありません。もうザハ・ハディドの案でとにかく進めたいと。ただ解体ですら何回か入札をやっていますが、いまだにうまくいってないようですね。
槇さんと伊東さんが提案を出しているわけですから、討議がされる場があるといいと思います。当初は一般の人たちも意見を述べることができる場が予定されていたようですし、そういう場を設けてから進めてほしいですね。
その通りです。
被災地支援の「みんなの家」は確か仙台市と陸前高田市ででき上がっていたと思いますが、現在いくつくらい完成しているんですか。
今は11軒完成しています。妹島和世さんが関わったものが3つ、山本理顕さんが1つ、僕が7軒です。僕の場合は若い建築家に関わってもらって、一緒になってやっているんです。大西麻貴さんと「東松島こどものみんなの家」をやったり、今もマーク(・ダイサム)とアストリッド(・クライン)と一緒にやっています。その他に2~3件動いていますね。だから15軒位は近々完成すると思います。
ひとつの自治体ではなく、いくつかの自治体でやっているのですね。
なかなか受入先が難しくて、自治体がそれほどほしいほしいと喜んで受け入れてくれるわけでもないんです。住民の人たちはこんなのがあったら嬉しいと言ってくれるんですけれどね(笑)。
住民と自治体で乖離してしまっているのですか。
でも今福島県でこどものための「みんなの遊び場」という屋内施設を、Tポイント・ジャパンがスポンサーになってくれて、2件やっています。ひとつがマークとアストリッドでこれは年内にでき上がると思います。もう1件は柳澤潤さんとやっています。
若い建築家と協働するというのは伊東さんらしいですね。
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