- 1.建築家紹介
- 2.建築家を目指して
- 3.早熟な学生建築家
- 4.考え抜かれた作品群
- 5.自然物と人口物の融合
- 6.いつかは勝つコンペ
- 7.奥様のラブ・トーク
- 8.建築作品ギャラリー
いつかは勝つコンペ
いつかは勝つコンペ
コンペは連戦全敗だが続ける!
「tsumami」というプロダクトの作品がありますが、これにはクライアントがいるのですか。
クライアントというか、「LOVE HOUSE」や「本郷台チャーチスクール保育園」「屏風ヶ浦の家」をつくってもらっている栄港建設の社長さんから、「保坂くん、取っ手のつまみみたいなものをデザインしてみて」と言われたんです(笑)。アルミの無垢の20cm角のそういうものであれば、チャチャチャと好きな形に切り抜くことができるので、割とリーズナブルにいろいろな形の20cm角のつまみというものがつくれるんです。
何かのつまみにするためのものだったのですか。
使おうと思えば使えるんですけれど、実は目的がなくて(笑)、何かで使おうかなという話だけなんです。
「ガラステーブル」というのは。
これは「DAYLIGHT HOUSE」のために設計した、3mくらいあるでっかいテーブルです。鏡だと映り過ぎてしまって、覗くと自分の顔もはっきり映ってイヤなので、熱線反射ガラスを使用して、天井が映り込むようにしています。天井を見るためのガラステーブルです。
「moon chair」は量産しているのですか。
量産はしていないんですけれど、展覧会のときにつくって、つくると「これ買えますか」と聞いてくれる方がいるので、「このままでよければお売りします」みたいな感じです(笑)。
僕も先日座りましたが、あれは気にいる人が多いと思いますよ。
そうなんです。チェコの展覧会のときに3個つくったら、3個とも買い手が現れて、結局日本でもまたつくっています。
あれは何でできているのですか。
木です。骨を組んで、表面に薄い合板を曲げて貼っています。意外とグラグラ揺れるのが楽しいんです。
えっ、そんなに複雑なつくり!僕はプラスティックのようなものかと。高そうですが、ちなみにおいくらなのですか。
あれは10数万円だったと思います。
チェコで展覧会をすることになった経緯は。
2011年に銀座INAXギャラリーで「FOREST OF SKETCH」という展覧会をやったんですけれど、そのときの写真がウェブサイトとか雑誌に出て、チェコのギャラリーのキュレーターの方がその写真を見て、うちに問合せがきて、「チェコのギャラリーでも同じような展示をやってくれないか」という相談がきたのがきっかけです。
「moon chair」は東京の展覧会でも展示されていたのですか。
そのときはまだありませんでした。
コンペにもチャレンジしているようですが、勝率はどうですか。
勝ったことはないので、勝率はゼロです(笑)。
そうするとかつての安藤(忠雄)さんと同じで連戦連敗ですね。
連戦全敗です(笑)。
いくつもあるコンペの中から「遠山保育園」「上州富岡駅」「共愛学園」「六甲山展望台」に挑戦していますが、挑戦するコンペに何か共通する傾向がありますか。
1次を通過することが滅多にないので、まだ傾向がわかるほどの経験がありません。
建築タイポロジーで選ぶということはありますか。
僕は何でもやりたいので、それはないです。
「六甲山展望台」は三分一(博志)さん、「共愛学園」は乾(久美子)さんがコンペの勝者だったと思うのですが、「遠山保育園」「上州富岡駅」の勝者は。
「遠山保育園」は高橋一平さんという横浜国大で僕のひとつ下の後輩です。後輩にやられてしまいました(笑)。「上州富岡駅」は武井(誠)さんと鍋島(千恵)さんでやっているTNAさんです。
保坂さんもコンペを続けていれば必ずいつか勝てると思いますので、ぜひ今後もコンペを続けてください。
やります(笑)。
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