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得意な設計ジャンル
得意な設計ジャンル
宮内庁から感謝状をもらうほどの福祉施設設計のベテラン
13年経験を積んでから独立しているのでベテランですし、長く仙台に住んでいてその土地のことをわかっているということもあると思いますが、針生さんは独立当初から、公共建築が多いという印象です。通常独立したばかりには仕事がなく、自分の家や親戚の家を設計する建築家も多いですが、針生さんは何か大きなプロジェクトのチャンスに恵まれたのでしょうか。
やはり仕事がなくて、住宅を設計していました。あまり親戚は頼んでこなかったですけれど(笑)。同級生に頼まれて設計した「長屋門のある家」が最初に『住宅特集』に掲載されました。作品として発表するものはあまりありませんでした。
「蔵の郷土館斎理屋敷」というのは独立当初の仕事ですね。
仕事がない頃にたまたま新聞で古い豪商の館が丸森町に寄贈されたという記事を見て、丸森町を訪ねると、なまこ壁をモルタル処理していたので、いくらなんでもおかしいんじゃないかと。結局、僕が安いお金で2年間かけて引き受けることになったんです。その結果、来館者数がとんでもなく増えて、商店街の方からは、当初の詐欺師扱いからオープン後は神様のように敬われたということがありました(笑)。それによって町おこしに繋がったんです。それが公共建築のはじめで、きっかけになりました。
すごいですね!それで針生さんの名前が広まったのですね。医院も多いですね。
それほど多くはないんです。建築家に頼む層というのは、知り合いだとか、親戚だとか、医者だとかになってしまいます。その辺のことでだと思います。今は少し庶民的になってきていますけれど。
現在までに作品はどれ位ありますか。
50件位はあるでしょう。
いいえ。ホームページに掲載されている作品だけでも100件以上あります。
そんなにありましたか(笑)。
災害復興建築については後で伺いますので、それは別として、針生建築研究所ではどんなジャンルの作品が多いですか。
割と福祉関係が多いですね。医療福祉では古川医療福祉設備振興財団顕彰をいただいています。
福祉関係が多いのは。
恩師から頼まれて、筋ジストロフィーの施設「ありのまま舎の自立ホーム」を設計したことがきっかけになって、ずっと繋がっています。三笠宮殿下が名誉総裁でしたし、筋ジストロフィーで寝たきりの人と打ち合わせをしながら設計したんですけれど、不可能がないような、何でも願えばできるような頼み方をしてくるので、大変でした。この設計をして、宮内庁から感謝状をいただいたんで、お袋がえらく喜んでいました(笑)。
その後にずっと繋がっていくというのがすごいですね。
僕は入札を辞退しているので、プロポーザルとか、コンペとか、そういうものにはできる限りチャレンジしています。有名になるとそういうものにチャレンジしないという建築家もいるようですが、できるだけ探して、できるだけ参加して、堂々と受注していきたいと思います。営業もできないので。
それでコンペ好きなのですね。事務所の所員は何名ですか。
自分を入れて9名です。
現在、進行中のプロジェクトはいくつありますか。
先ほどの「ありのまま舎」の連続で「亘理ありのまま舎」、それと閖上の津波被災で流出した旅館「春日館」の復旧、閖上商店街で22のテナントが入る「かわまちてらす閖上」、大きくはその3つですね。あとはプロポーザルなどをやっていくという形です。
もっとあるのではないですか。
そんなにはできないです。これでも今アップアップですから(笑)。
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