建築基準法に基づくシックハウス対策の概要
建築基準法に基づくシックハウス対策の概要
02年7月12日に「居室内における化学物質の発散に対する衛生上の措置」として建築基準法が改正され「法第28条の2」が加えられました。
シックハウス対策に関する制令
法第二十八条に次の一条を加える
(居室内における化学物質の発散に対する衛生上の措置)
法第二十八条の二
居室を有する建築物は、その居室内において政令で定める化学物質の発散による衛生上の支障がないよう、建築材料及び換気設備について政令で定める技術的基準に適合するものとしなければならない。
罰則:法第九十九条
室内のホルムアルデヒド濃度を厚生労働省指針値0.08ppm(0.1mg/m2)以下にするために、換気設備の設置義務づけや、建築材料の使用制限などの対策が必須となります。
1.ホルムアルデヒド対策
ホルムアルデヒド:刺激臭のある気体で木質系材料の接着剤などに使われる。
[対策1] 内装仕上げの制限
建築材料の区分 | ホルムアルデヒドの発散 | JIS・JASなどの表示記号 | 内装仕上げの制限 | 換気回数と使用可能面積 | |
---|---|---|---|---|---|
0.5回/h | 0.7回/h | ||||
建築基準法の規制対象外 | 少ない 多い |
F☆☆☆☆ | 制限なしに使える | ||
第3種ホルムアルデヒド発散建築材料 | F☆☆☆ | 使用面積が 制限される |
2Aまで | 5Aまで | |
第2種ホルムアルデヒド発散建築材料 | F☆☆ | 0.3Aまで | 0.8Aまで | ||
第1種ホルムアルデヒド発散建築材料 | F☆ | 使用禁止 |
A:居室の床面積 換気回数0.5回/h:1時間当たりに部屋の空気の半分が入れ替わることをあらわす
規制対象となる建材は次のとおりです。
これらには原則として、JIS、JASまたは国土交通省大臣認定による等級付けが必要となります。
木質建材(合板、木質フローリング、パーティクルボード、MDFなど)、壁紙、ホルムアルデヒドを含む断熱材、接着剤、塗料、仕上げ材など
[対策2] 換気設備の義務付け
ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合でも、家具からの発散があるため、原則としてすべての建築物に機械換気設備の設置が義務付けられます。例えば、住宅の場合、換気回数0.5回/h以上の機械換気設備(いわゆる24時間換気システムなど)の設置が必要となります。
◆改正建築基準法に対応できる換気設備について
浴室換気乾燥暖房機は常時換気設備として利用できます。
詳しくはこちらをご覧下さい
[対策3] 天井裏などの制限
天井裏、床下、壁内、収納スペースなどから居室へのホルムアルデヒドの流入を防ぐため、次の(1)~(3)のいずれかの措置が必要となります。
(1) 建材による措置 | 天井裏などに第1種、第2種のホルムアルデヒド発散建築材料を使用しない。(F☆☆☆以上とする) |
---|---|
(2) 気密層、通気止めによる措置 | 気密層や通気止めを設けて天井裏などと居室を区画する。 |
(3) 換気設備による設置 | 換気設備を居室に加えて天井裏なども換気できるものとする。 |
2.クロルピリホス対策
クロルピリホス:有機リン系の防蟻剤として木造住宅の床下などに使用される。
- クロルピリホスの使用禁止