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インタヴューの前に―オーストラリアの鏡像  
物件データ
インタヴュー1
インタヴュー2
インタヴュー3
インタヴューを終えて


●インタヴューを終えて

 今回の物件に関していろんな人と話してみて、不思議な感覚が残った。巨大な投資が投下され、非常に早いスピードで住宅地区が作られるペキンの民間デヴェロッパーの物件は、往々にしてどぎつかったり、ぎらぎらした感じが強いのだけれど、この物件に関しては話を聞けば聞くほど、そういう感じがなくなっていった。現場を訪れてもガードマンがどこか人懐っこかったり、モデルルームが閑散としていたり、あんまり肩肘を張った感じではないし、関係者に会って話していても、どこかのんびりしていてほっとさせられるようなことが多かった。もうほとんど売り終わったからなのか、デヴェロッパーが昔からの古い会社だからか、オーストラリアという表象がそうさせるのかはよくわからないけれども、いろいろな部分で穏やかな感じだったのが印象的だった。外国人やすごい金持ちだけが住んでいる、というのではなく、もう少し普通の中国人にもここでは会えそうな気がした。
 建築の設計体制については、恐らく今のペキンで最も一般的な形で外国事務所と中国側事務所が協働した物件だと言えそうだ。外国側で最初の概念を作り、且つ建築の実施設計を担当し、構造と設備は実施設計から施工図まで中国側が担当する、というものだったようである。逆に建築設計さえできればあとの部分は全部中国でやれてしまうということでもある。これができあがる建築全体にとっていいのかどうかはわからないけれど、外国事務所の下でさらに外国の外装コンサルタントが入ったりするという話も今回は聞けたから、そういうところから意外と、面白い建築的な試みが中国でも実現していくようになるのかもしれない。先日こちらで「ヘルツオーク&ド・ムーロン」のペキン事務所で働いている人間と話す機会があったのだが、あそこもすごいことになっているらしい。ペキンとバーゼルの彼らの事務所はともかく、さらに中国の協力設計事務所、ペキンのオヴ・アラップ、それをサポートするロンドンのアラップなど各方面がプロジェクトに参加していて、時差もあるので四六時中連絡が途絶えないという。資本を背景にした情報化がここまで技術を集中させているわけで、こういうところから建築の新しい試みが生まれるのもそう遠くはないだろう。数十年遅れのポストモダンの焼き直しでしかなかったペキンの建築が、大化けすることもあるんじゃないか、という風に思ったものである。

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