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藤森さんの作風
   作風はインターナショナル・ヴァナキュラー


先生の作風。自然素材、手づくり、自然との共生を取り入れています。それをギャラリー・間の展覧会の時に“野蛮ギャルド”と言っていました。僕はヴァナキュラー的かなと思うのですけれど・・・・・。

ヴァナキュラーだけど、普通のヴァナキュラーとどこが違うかというと、ほとんどのヴァナキュラーというのは地域性があるんです。僕にはないんです。要するにインターナショナルなヴァナキュラー。それは原(広司)さんが言ったんです。それは歴史上にはない概念だったんです。

どうしてそういう作風になったのでしょうか。

まったくヴァナキュラーをやる気はなかった。それはヴァナキュラーにはものすごく嘘があって、今僕らが知っているような民家のヴァナキュラー形式は大体室町から江戸の初期くらいに成立したものです。長野県なら長野県の、東北なら東北の民家の形式がありますが、あれは古いものではないんです。高々数百年で、400年以上なんて絶対にいきません。

白川郷などもそうですか。

ギャラリー・間の展覧会の際の叢書
ギャラリー・間の展覧会の際の叢書

原広司氏
原広司氏

もちろんそうです。あんなに立ち上がっているのはずっと後のことで、昔はもっと低いものでした。もっというと世界中そうなんです。民家が独自の形式をもつのは世界中それほど古くないんです。民家のある形式というのは無理なことをしているわけ。ある形式に固定するのは、文化性が出たからです。文化性というのは富の力によるんです。王様は別です。普通の人の家がある安定した形式をもつというのは、富がないとできません。それは世界的にいうと中世です。アフリカの人たちも古いものを見ると、本当に形式と言えないようなものです。みんなそんなようなものだった。木の枝が取れるところでは木の枝を立て掛けて小屋をつくり、土しかないところでは日干しレンガをつくって小屋をつくり、石のあるところでは石を積んで小屋をつくる。要するに材料だけがあったんです。その材料による自然の形式だけがありました。その時代が終わって、もうちょっと豊かになってヴァナキュラーと言われる形式になったんです。僕は学ぶならヴァナキュラーな形式ができる前がいいと思っているんです。僕の説ではインターナショナルというのは歴史の最初と最後に出てくるんです。僕のインターナショナリズムは古いほうです。

ヴァナキュラーの時代の前、プレ・ヴァナキュラーですね。

そこは実にインターナショナルなんです。世界共通です。例えば泥のものが一番いいけれど、世界中古いものはやっていることがみんな同じ。

それで藤森流のこのスタイルが出てきたのですね。自邸の「タンポポ・ハウス」のタンポポは毎年ちゃんと生えていますか。

生えないです。大分枯れてほとんど絶滅です(笑い)。庭にはいっぱいあるので、いずれ屋根に上げようと思います。

それは何年か毎にやるわけですね。

そうです。大変(笑い)!

そうすると手づくりでやっているので、一番大変なのは施工だと思います。施工の苦しみを教えてください。

骨組みとかはプロがやってくれますから、僕がやるのは仕上げだけです。
杉焼きをしている写真
杉焼きをしている写真

先生が焼杉きをしているところをビデオで見ましたが凄かったですね。

あんな楽しいことを人にやらせている建築家は大損していますよ(笑い)。

そういえば楽しそうにやっていました(笑い)。

だって火を着けるんだもの、イヤなわけがないでしょう。興奮してやっていますよ(笑い)。

あれは三角形に組んで、下には何を入れて焼いているのですか。

ペラペラの新聞紙1枚です。木でできた煙突に火を着けているようなものです。

不思議ですね。かなりの長さがありますが、どうして平均的に焼けるのですか。下だけが焦げたりしないのですか。

最大8mありますが、3分から5分位で一気にボーンと上まで行きます。なぜかというと焦げるとその部分が断熱性をもってしまうので、そこはそれ以上焦げずにどんどん上に行きます。三角になっていますから、輻射熱で燃えていくわけです。燃えている熱でお互いに向かい側を燃やして、炭になっちゃうから、燃えたところから熱が伝わらず、一気にボーンといきます。あれは誰が考えたのかと(笑い)。本当にあれは世界のヴァナキュラーな技術の中でもっとも天才的なものです(爆笑)。

ザ・フォーラム
ツバキ城
秋野不矩美術館
ザ・フォーラム
ツバキ城
秋野不矩美術館

熊本県立農業大学校学生寮
熊本県立農業大学校学生寮

あのシーンは凄くて2回見てしまいました。

あれは東日本にはなかった技術です。今でも西日本でしかやられていません。

できた作品を調べてみると、住宅だけかと思っていたのですが、「秋野不矩美術館」「ザ・フォーラム」「ツバキ城」「熊本県立農業大学学生寮」とプロジェクトが大きくなっていきます。

最近また小さくなっています(笑い)。
一夜亭
矩庵
不東庵工房
一夜亭
矩庵
不東庵工房

高過庵
高過庵

その後も「不東庵工房」「一夜亭」「矩庵」「高過(たかすぎ)庵」と続きます。展覧会ではユーモラスなネーミングの「低過(ひくすぎ)庵」というのがありました。あれはできるのですか。

まだつくっていないけれど、「高過庵」の横に仕事がなくなったら自分でつくろうと思っています(笑い)。
低過庵
低過庵
こうやって見てみると小さな茶室もありますが、美術館や学生寮など、大きな規模のものも増えてきて、そのうちラ−ジ・スケールのオフィス・ビルを頼む人もいるかもしれませんね。

どうせ僕に頼む人は、普通の人ではないので・・・・・(笑い)。

ああいうつくりで行くのですか。

ああいうようなつくりを、どうするかね(笑い)。それは楽しみですね。

住宅はもうたくさんやっていますから、違う建築タイポロジー、しかも大きなスケールのものを頼む人はいないでしょうか。藤森流の“野蛮ギャルド”がそういう建物に通じるのか、あるいは先生が断わるのか。

断わるということはないです(笑い)。

このホームページを見て頼んでくる人がいるかもしれません。

同じやるなら超高層をお願いしたいですね(笑い)。

「東京計画2107」ですね。あれは本当に木造で考えているのですか。

100年後のことを本当かと言われても困るんですけれど、まあ木造で超高層はできますから。圧縮木材を使えばそんなに難しくはありません。圧縮木材はまだあまり実用化はしていませんけれど。圧縮木材というのは木を蒸します。木は蒸すとグニャグニャになります。曲木の原理ですけれど、そこに圧縮をかけます。圧縮をすると中の空隙がなくなって、体積がうんと細くなるわけです。体積が半分になれば強度は倍になります。それで超高層はできます。

本当ですか?法規的には難しくないのですか。

圧縮木材はあまり火が着かないと思います。それよりそんなことをわざわざやる奴はいません(笑い)。鉄を使います(笑い)。

でも中層くらいで何かできたらいいですね。

やるんでしたら超高層をやってみたいですけれどね(笑い)。このホームページを見て、超高層を頼んでくれる人がいてほしいですね(笑い)。

このホームページをご覧の方々、先生も木造でできると言っていますので、ぜひ先生にトライしてみてください。

木造は使いませんけれど(笑い)。木造を使うと技術開発が大変ですからね(笑い)。
  
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