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インタヴューの前に―北京で徳式生活
物件データ
インタヴュー1
インタヴュー2
インタヴューを終えて


●インタヴュー2

相手:劉剣(入居者、水晶石数字科技有限会社動画部主管、1975年武漢生まれ)
場所:劉氏宅(「北京印象」6号棟2階)
日時:2003年11月17日

今回のインタヴューに際して、デヴェロッパーの配慮で、私には建築に関係した仕事に従事している住人が紹介された。劉さんが勤務する水晶石という会社は今中国で一番成功したCG制作会社で、彼はそこのアニメーション部門の責任者である。まだ27歳と若く、夫婦共働きで子どもがまだいないせいか、自宅の内部はあまり生活臭がない感じだった。今の北京の中流の上くらいの若い夫婦が、どういうプロセスを経て住宅を購入しているのか、話を聞くことができた。


住居の選択まで

:今日はデヴェロッパーの紹介で「北京印象」の入居者である劉さんのお宅を訪ねてきました。広いお宅に2人でお住まいのようですが、何平米あるんですか?

:130平米ほどあります。三室一庁です。

:最初にお二人がこの物件に住むことになった経緯を教えてください。

:ここに来てまだ4ヶ月しか経っていません。2003年の7月に引っ越してきました。家を探し始めたのは2001年の秋からです。契約したのは翌年の6月でしたから、8ヶ月くらいは家探しをしたことになります。

:どういうところが気に入ってこの住宅を購入したんですか?

:まず1番目は設計が気に入ったんですね。いろんな外部空間があるし。高層と低層の組み合わせも面白いし、全体のイメージも統一されている。2番目は内装済みで引渡しができるようになっていたことですね。北京でよくあるスケルトン渡しの物件だと、仕事が忙しいので内装にまで自分の時間を割くのは嫌だったんです。ここなら竣工時に基本的な床壁天井は仕上げてあるから、我々は家具を搬入するだけです。3番目はこの住戸タイプが気に入ったということです。三室一庁で南北で開口がとれて使用率が84%と高い。つまり我々にとってはエレベータホールなどの共有スペースが最小限で済む、それが気に入りました。

劉夫妻の住戸プラン、三室一庁。販売面積131.70平米、室内面積110.53平米。南北双方に開口部があるタイプで18.9平米のリビング(一庁)、3つのベッドルーム(現在南側を夫婦の寝室に、北西端の部屋をご主人の書斎に、キッチンの西側の部屋は物置=将来の子ども部屋想定、で使用している)。水廻りは2室あって、書斎南側は客用のシャワーとトイレ、寝室北側は日常使用のためのものでバスタブ、便器、洗面器がある。洗濯機はキッチンの一画に置き場あり。東側に各階2戸共用のエレベータと非常階段がつく。

:住戸タイプについてもう少し教えてください。同じような三室一庁なら、他の物件でもそれこそいくらでも候補があったのではないですか?

:この規模で三室というのは北京ではなかなかないんですよ。130平米だと二室一庁や二室二庁は多いけれども個室が三室とれるというのはなかなか見つからなかった。150平米超える物件なら別ですが、それだと僕らの予算を超えてしまう。結局ここは平米7800元だったんですが、この面積なら我々の予算内だったので。

:そうですか、今いるこのリビングはだいぶゆったりしていますが、やはり小さく別れた部屋が必要なんですね。

:僕らの場合、寝室と書斎と子ども部屋という3つの個室はどうしても必要だったのです。深センや広州のほうでは、同じ面積でもっと小分けにすることが多いです。出張でむこうに行くと同規模で四室一庁のマンションに友人が住んでいたりします。
それから、このタイプは外形がほぼ長方形で開口をとるために複雑な形状にしたりしていない。そのために使用率が高いのも重要でした。同時に検討した物件はどれも77%くらいの使用率で、ここはそれに比べてだいぶ高かった。この住宅区のなかの、特にこのタイプの使用率が高いんですよ。

:場所についてはいかがですか?西四環というのは、北京ではどちらかというと開発が遅れている地域ですけれども。

:むしろ四環のそばで高速道路との連結がいいのは便利です。南側の阜成路は市の中心に出る幹線で、そう混まないし、私の会社は市の西の方にあって車で通勤していますが、渋滞にあわないで済むのも大きい。問題があるとすれば四環の音ですね。交通量が多いので音もうるさい。ここは比較的中に入ったところなのでそれほどでもないですが、住宅区の中ではうるさいところもあるでしょうね。デヴェロッパーが遮音壁を設けると聞いています。

:このマンションを買うにあたって、ほかに同時に購入を検討していた物件はありますか?

:これに出会うまで1年近くいろんなマンションを見たんですが、それまでいいのがなくて、この物件を見てすぐ気に入って、1週間後には契約していました。

:具体的にはどういうところが気に入ったんでしょう?

:面白いところに住みたかったんです。ここの外観はほかの北京の住宅とは全然違うでしょう?それで言えば、同じ西四環にある「麗城」にも興味がありました。日本の六角鬼丈が設計しているんでしょ?あの屋根が波打っているところもよかったんだけど、ユニットがどれも大きすぎた。で、予算も考えるとここになったというわけです。あと、あそこは西郊飛行場に近いから騒音も気になったし。あとは、そうだなあ、ここの現場を見たのは2002年の6月で、そのころはまだ最上部まで構造ができていなかったんですが、現場がきれいで施工もしっかりしていそうだという感じがしたんですね。まあこれは私たちが建築の勉強をした人間だから、少し専門的な見方かもしれないけれど。結局モデルルームと同じ住戸タイプを買うことにしたんです。

「麗城」透視図。西四環の外側で「北京印象」のそばに建つ、六角鬼丈が基本計画を立てたもの。「非建築」というキャッチコピーで波状にうねる緑化した屋根を載せた住戸を売り出している。劉さんはこれが気に入ったとか。

実際に住んでみて

:実際住まわれてみてどうですか?

:ここは管理費が高いんですよ。月額平米あたり3.9元で500元ちょっと払っています。そのかわり管理がいいですね。なにか設備上問題があればすぐ解決してくれるし、外の緑化もきちんとしているし。

:公共部分のサービスについてはどうですか?満足されていますか?

:集会施設やフィットネスなどはないんですよ、小さな屋外テニスコートがある程度で、僕らも忙しいのでそういうのはなくてもいいんですが、子供向けの遊具や老人向けの運動装置なんかが本当はもっとあったほうがいいでしょうね。そういう世代の人たちも結構いるし。それから道路の遮音壁もちゃんと作ってほしいとは思っています。

:お二人は北京の出身ですか?

:いや2人とも外地人(よそからやってきた人間、という意味)です。僕は北京グリーンカードを持っています。

:北京人でないことで、今北京でマンションを買う上での問題はありますか?

:いや、今はないですね。少し前まで外地人が北京で住宅を買う際には別に課税されたんですが、その制度は最近なくなりました。ただし経済適用房のような安い住宅は、今でも北京人しか買えないんじゃないかな。そういう意味では、まだ外地人は北京人と区別されてしまっていますね。

:内装について教えてください。今の仕上げはすでに工事に込みだったと聞きましたけれど、これはどのタイプも同じ仕上げということですか?

:いや、床壁についてはいくつかサンプルがあってそこから選べたんです。一番シンプルなのを選んで、居間は石、寝室はフローリングにしました。壁と天井は真っ白です。今年の4月にはほぼそこまで工事が終わって、2ヶ月ほど乾燥期間をはさんで7月に引っ越してきました。

:家具や照明器具は既製品ですよね?

:そうです、これはいくつか家具屋を回って選びました。テレビはまだ寝室だけで居間には買っていません。フラットテレビだと5万元くらいするのでまだ買えないんです(笑)。

ダイニングテーブルの夫婦(左)、
リビング(右)。
テレビを置く台だけでまだテレビはない。

:家を維持していくにはどれくらいの費用が月かかりますか?先ほど管理費が500元という話でしたが。

:20年の銀行ローンがあって、それから水と電気で月150元くらい、中央温水暖房が一冬3000元くらいです。

:窓まわりの断熱はしっかりしているみたいですね。空調は使いますか?

:冬は中央制御の温水暖房だけで十分ですね、窓の断熱もしっかりしているし。夏は電気でクーラーを使います。あ、あと駐車場代がかかります。

:ああ、この地下の駐車場ですね。

:いや、地下のスペースは月480元もして高いんで使っていないんです。外の露天のを借りています。月100元ですから。

:あとそうだ、細かい話ですが北京で住宅を購入したお二人の子どもが北京で生まれれば、子どもの戸籍は北京人になるんですか?学校に入る上での手続きなど面倒なことがあるんでしょうか?

:子どもも北京籍はとれないんですよ。しかし大きい問題ではないです。今は子どもも、どの学校にも自由に行かせることができますし。

:近所付き合いなんかはどうでしょう?お向かいと仲がいいとか、よくつきあいがありますか?

:いやつきあいはまったくないです。向かいは事務所に使っているみたいですがよくわかりません。このマンションのある海淀区はマンションを事務所にすることに寛大で、ここもオフィスに使われている住戸は結構あるようです。個人的にはあんまり歓迎はしていないですけれども。

:住人どうしの集まりとか活動のようなものはないんですか?パンフレットにはそういうものも作られる予定だ、というようなことが書いてありましたが。

:あんまりないですね。集会施設もないし。みんな忙しいんじゃないかなあ(笑)。

:住人は若い人が多いんでしょうか?

:若いカップルが多いと思います、子どももよく見かけるし。180平米以上の大型住戸だと年配の人もいるんじゃないですかね。

:ところで劉さんは今年でおいくつなんですか?

:28です。

:早いですよね、その年齢でこんなに大きな住宅を持ってるなんて。子どももなしで共働きだと、やっぱり仕事で忙しいんでしょう?

:もう結婚2年だし、家を持つのはこの年齢ではそうめずらしくないですよ。北京じゃあね。建築関係のCG製作会社で、僕は動画部門のディレクターを、妻はパース製作をしていますが、仕事が本当に忙しいんです。今はこのままやっていこうと思っています。忙しくて夜しか家をお見せできなかったのは残念ですが、昼だとまた印象が違うと思うんですよ。

:そうですか。南側はフルハイトの窓があって中庭に面しているわけですよね。そうすると、この真っ白の内装はもっと明るくて広く感じられるんだと思います。今回はお忙しい中お話を聞かせてもらって、ありがとうございました。


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