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Dec.2002
11月に入ると、モールなどでは早くもクリスマスの
飾り付けが始まり、自宅から一番近いモールでは、
恒例のサンタクロースとの撮影も始まりました。
この撮影は、モールの通路中央に準備された
サンタクロースの家で、本物のサンタクロースの
おじいさんの膝にだっこされながらサンタクロースに
宛てて書いた手紙を読んでもらい、その様子を写真に
撮ってもらう幼い子供向けのものです。
費用は20ドル(約2400円)。撮影が済むと
大小の写真をセットでもらえるようになっています。
この撮影は大変な人気で、クリスマス間近には
平日でも撮影待ちの親子の長い行列ができていました。



モールでサンタクロースと一緒に
記念撮影する子供たち
 
モールなどの商業施設の他、ラジオのクリスマスソングは
11月後半から、一般の家々の飾り付けは12月に入ってからと、
なんとも長期に渡ってのクリスマスの時期ですが、
あふれるような商品の種類の膨大さ(多くが中国製。これは
クリスマス用品に限りません)・連日クリスマスソングばかり
放送されているのに飽きがこないほどの曲の豊富さ・
飾り付けの多彩さなどにアメリカらしさを感じています。これら、
物に代表される種類の多さ(これはシステムにも共通します)に加え、
身の回りのことがどんどん変わっていく、変化の早さもアメリカの
特色だと感じるこの頃です。

私たちが引っ越して来てから約2年が経とうとしています。
レポートは今回が最終回ですが、これまでひとつのテーマにまとめて
ご紹介できなかったことがたくさんありますので、今回はそうした
今までのレポートからこぼれ落ちた話をご紹介します。

クリスマスの家の飾り

【人を大事にする】

今年の7月末に、ペンシルバニア州の炭坑で、坑夫数人が厚い岩盤の下に
閉じこめられるという事故が起きました。この人たちを救おうと、厚い地面を
円筒形にくり抜く大がかりな救出作業が昼夜を問わずなされ、その様子が
テレビの画面の端に継続して報道されていました。数日かかって救助が成功したの
ですが、生還した人達の様子が報道されたときには思わず感激してしまいました。

第二次大戦中、アメリカ軍の飛行機が墜ちると、救助のためのヘリコプターが
現場にかけつけ、パイロットを救助していたという話を聞いたことがあります。
長い訓練時間を要して養成したパイロットを救うのは、費用の面でも意味があると
いうことですが、この話を聞いたとき「アメリカは人を大事にする国なんだ」と
思いました。今回の炭坑事故の救命の様子からも、その印象を強くしました。

昨年のニューヨークのテロの時にも感じたことですが、考えられないような事件が起きた
場合でも、迅速に対応することが可能な体制が整っているのをテレビで見て、「事故は
起こり得るもの」というふうに考えられ、事故が生じた場合に発生する事態を想定し、
すぐ救助活動を始めることができるような対処の仕方も準備されていることを感じました。
交通事故のように、いつ何かが起こっても不思議ではないような状況下でみんな暮らして
いますから、安心が得られる体制がある意味は大きいと思います。

【違う意見を出すことができる環境】

アメリカの公立学校の子供たちは、就学以来“Pledge of Allegiance”という国への忠誠を
誓うことばを毎朝始業の前に言いますが、今年7月にこの“Pledge of Allegiance”の文章中の
一節“under God”(神が導いてくださる)を巡り、カリフォルニア州の無神論者から反対意見が
上がり州の最高裁判所で争われました。「ここに書かれた“ God”(神)はクリスチャンの神で
キリスト教信者以外の神を信じる人には該当しないので、この言葉を文章中から除くべきだ」と
いうのが反対意見を持った人の主張でした。

また8月には、私たちが住む郡内で「神が人間を作ったという『創始論』を学校の
教科書に載せるべきだ」という意見を巡り論争が起きました。この問題にはテネシー州で
1930年代に訴訟が起こり、「学校教育の中では進化論を教える」という見解が既に出されていて
進化論が一般的な状況下にもかかわらず・・の論争でした。
郡内には保守的で信仰の厚いクリスチャンが多く、教会の影響が大きいことも考えられますが、
現在郡内の学校の教科書には、創始論の考え方もあるというシールを貼って対応していると
いうことです。

私には理解できない論争で、「何を今さら・・・」というアメリカ人もいますが、
従来のものと違う意見が出た場合、それが少数であっても公の場に公表されて論争に
発展する体質は、人々が身の回りの問題について考える意識を高め、望ましい方向に
解決させるために知恵を出し合うことを可能にすると思います。
違う意見を出しやすい環境は、住みやすい社会をつくるために欠くことのできないものでは
ないでしょうか?

次女の友達の中に、「アラスカ独立」を支援するグループに属したり、
大統領に抗議の電子メールを送ったりする高校生がいますが、自分がおかしいと感じた
ことをためらわずに表に出すことができる空気が生んだ産物のように思えます。

【経験を反映しながら、より良いものを模索】

身の回りの色々なものに、より使いやすいようにと実際の経験を生かした工夫を感じる
ことが多いです。これらの工夫を見てみると、個人レベルの意見を反映し実現化している
印象を持ちますが、それが多くの人に役立っているのは間違いありません。
例として車を運転していて感じたものをご紹介します。

*赤信号でも、右折は可能

 アメリカでは、車は道路の右側を走りますが、
 ジョージア州では、交差点で右折する場合、信号が赤の場合でも、
 左から車が来ていなければ右折してもいいという決まりがあります。
 多くの州でもこの決まりは採用され、車の流れをスムーズにしています。

*信号のある交差点での工夫が見られる車の動き方

 赤信号で停止している車が動き出す時、上下線とも左折する車の信号だけが先に
 青の矢印になり、その矢印の信号が赤に変り、左折車が止まった後、直進車や右折車用の
 信号が青になります。
 このとき上下線の車が同時に動きはじめるのではなく、上り線と下り線のスタートに
 数秒の時間差をつけている交差点が多いです。
 この仕組みでは、左折(日本では右折)が終わってから直進や右折が始まりますので、
 信号の変わり目の駆け込み運転がしにくく、また信号の変わるタイミングを意識しやすいことから、
 交差点での事故防止に大きく役立っているようです。

*感応式の信号

 信号待ちをする車がない場合は赤で、待っている車を感知すると青に変わる信号ですが、
 感度が良く、無駄な待ち時間が省略されています。多くの交差点で使われていて、
 主人によると「夜遅く帰るときは、交差点で車が待っていなければほとんど赤信号に会わずに
 帰ることができる」ということです。

【本質を大事にする】

*読書

日本人の小学生のお母さんが、学校で自宅の子供部屋の環境についての
アンケートがあった時のことを話しておられたのですが、「このアンケートに、机について勉強したり、
本を読んでいることや部屋の様子を書いて提出したところ、先生から意外な回答がかえってきました。
『あなたの子供さんには、寝ころんで本を読むなどリラックスできるようにしてあげた方が良いと思います。
部屋の中の色なども、リラックスできる色にすると良いかもしれません』というもので驚きました」
ということでした。
実際に学校では、子供たちが図書室や廊下で寝ころんで本を読んでいるのが普通だということで、
その方は大変違和感を感じたそうですが、「行儀良く本を読む」という見た目よりも「本を好きになって、
本の世界を楽しむ」という本来の目的を優先させているのを感じます。
(「寝ころんで読むと目が悪くなる」 と言われますが、目が悪い人は日本人ほど多くないようです)


*引っ越しの挨拶

私たちが今の家に引っ越して来て、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と過ぎた頃、隣や向かいのお家の方が歓迎の
挨拶に来てくださり、そのときにお手製のクッキーや鉢植えやカードなどもいただきました。(私たちは
引っ越して間もなく挨拶に行き、その後も顔を合わせれば挨拶したりしていたのでしたが・・・・・・)
「引っ越し後まもなく挨拶する」ということは
せずに、少し時間が経って家人の様子も見えてきた頃、
新しい住人を快く感じる場合には歓迎の気持ちを表すというやり方をしているように感じました。
「歓迎」本来の意味を考えてみるとき、このやり方は的を射た方法ではないでしょうか。
気持ちを優先させているのを感じます。

 ※私が通っているESOLのクラスで、いろいろな国からやって来た人たちが自国の習慣を紹介する
  授業がありましたが、引っ越し後に隣近所に小さな贈り物を持って挨拶に行く日本の習慣について
  話したところ、ほとんどの人に「引っ越しはとても大変なことなのに、知らない場所に引っ越した
  ばかりの人が、前からいた人のところに挨拶に行くのはさらに大変でしょう?」とびっくりされ
  ました。他の多くの国の場合、前から住んでいる人が新しく引っ越して来た家に、ちょっとした
  プレゼントを持って歓迎の挨拶に行くやり方が多いということでした。

*入院

長女が子供病院に入院したとき、すべての病室が個人部屋になっており、楽しい模様がついた壁など
気分を和らげるようなものになっていて、付き沿いの人用のソファベッドやバスルーム(シャワー・
便器)・ロッカー・金庫・洗面台などの設備が整っていました。また患者以外の食事も、注文すれば
患者の分と一緒に届けてもらえるようになっていて、大変助かりました。
(食事は日替わりで、毎回いくつかの品の中からあらかじめ選んで注文するしくみになっていました)
入院時に、「電話がかかって来たときに取り次いでほしくない人や、面会に来る人で会いたくない人が
いたら、前もって名前を教えてください」という説明にもびっくりしました。

これらはすべて入院患者が治療に専念でき、本人や家族の心身の負担を少なくすることを目的とされて
いるのを感じ、病院本来の姿として望ましく感じました。

【ボランティア】

*病院

長女が入院したとき、病室に二人のピエロがやってきて、
ギターとバンジョーの演奏をしながら歌を歌い、おどけた格好で
楽しい気分をプレゼントしてくれました。聞いて見ると
ボランティアで、毎週月曜日に来ている人たちだということでした。

*学校

子供の学校では年度の初めに、親を対象にボランティアを募る用紙が
配られます。これにはボランティアでする事柄27の項目と、実際に
する
内容が簡単に紹介されていて、希望するものを選択できるように
なっています。項目の中には、コピー係・受付係・清掃係・図書係・
朝食を売る係などがあり、ボランティアをする時間も例えば週1日とか
行事のときだけの数時間などもあり、やりたい活動に無理なく参加でき
るものになっています。

また、生徒の中でも一定の成績を修めていれば「スチューデント
エイド」という学校内での連絡係などのボランティアをすることが
できます。長女の障害者のクラスにもときどきスチューデントエイドの
生徒が来て、制作を手伝ってくれたり活動を共にしています。
スチューデントエイドは成績の単位にも加算されます。

高校のクラブ活動の中に、“Habitat For Humanity(ハビタット 
フォー ヒューマニティ)” や“Interact(インターアクト)”という
募金他のボランティア活動をしているクラブがあります。
中でも“Habitat For Humanity” では、貧しい人のためにみんなで
家を作るというすばらしい活動をしています。私が通っているアダルト
スクールのESOLのクラスの先生の中にも、退職後ボランティアで
来られている方がおられ、担当の先生がお休みの時に私のクラスに
来られました。その先生が、授業中に「ボランティアって何だと
思う?」と私たち生徒に質問されました。「報酬なしに働くこと」
とか、「善意ですること」などの答えが出る中、先生が考えられている
ボランティアについて話してくださいました。
それは、「本当にやりたいことをすること。ただそれだけ」
ということでした。授業の進め方も巧みで、楽しんで授業をして
おられるご様子でしたので、聞いた私たちも納得でした。

ボランティアは、いろいろなところで日常的になされていますが、
病院や学校などでは、職員以外の人が活動の一端を担っていますから、
場所そのものも地域に開かれているわけです。
この風通しの良さも大変良いことだと思いますし、何よりも
ボランティアをすることで社会に参加し貢献できる場が得られることが
すばらしいと思います。


【シルバーパワー】

迷子になりそうなほど大きな病院の廊下の案内係のカウンターに、
赤い上着姿の二人の男性のお年寄りの方が、
楽しそうに話しながら座っておられましたので、
伺うとボランティアだということでした。

スーパーマーケットで買い物をしたときに、
買った物を買い物袋に入れてくれる係や、
ディスカウントストアの入り口で、ショッピングカートを
差し出してくれる係やレジ係の中にもお年寄りの人がいて、
元気に仕事をしておられます。

私が通っている学校の先生の中には、日本の定年を
はるかに超えていると思える方もおられますが、
豊富な経験を生かされた興味深い授業をはつらつとされています。


アメリカでは「定年退職」がありません。
仕事を退職する時期を自分で決め、退職後もボランティアや
無理のない仕事を調整しながら生き生きと活動している様子には、
頻繁に病院に通い体の不調を訴えるお年寄りのイメージはなく、
私も年をとったらこんな風になりたいと思うほどです。

ボランティアで病室にきてくれた
ピエロの二人

父兄ボランティア。
高校で受付係をしているお母さん

ディスカウントストアの前で
募金活動をする人

病院の案内係をされている
二人のお年寄りの男性

 

【医師などの分業】

歯茎にしこりができて近くの歯医者さんに行ったところ、
これには歯の根っこのところの治療が必要になるからというので、根っこの部分の
治療専門の歯医者さんを紹介されました。次に紹介されたその歯医者さんに行ってみると、
治療ではなく切り取る手術が必要だからというので、今度は手術専門の歯医者さんを
紹介され、そこでそのしこりを取り去ってもらうことができました。

腰が痛くなった時には、まず“Orthopaedic and Sports Medicine”(整形外科とスポーツ医学)と
いう看板があるオフィスに行ってみたところ、「ここでは治療の対象になりません」と言われ、
“Non-Surgical Orthopaedic & Spine Center”(手術しない整形外科と背骨センター)を
紹介されました。紹介されたところに受診するとフィジカルセラピーが必要になったのですが、
これはまた別のフィジカルセラピー専門のところへ行きました。

このように歯科医さんにしても整形外科医にしてもそれぞれに専門の分野があり、お互いに
連携をとっていました。診療科目の対象にならない場合、患者は場所を変えなければ
なりませんが、専門的な医師に診てもらえより良い医療を受けることができる安心感を
得ることができます。

【歯の管理】

アメリカの人たちは歯がきれいで、年を取られた方でも入れ歯や金属
をかぶせた歯の人をほとんど見ません。
年をとられても化粧したり身だしなみをきちんとしている人が多い中、
加えてきれいな自前の歯の人を見ると、明るくまぶしいものさえ感じ
ます。
アメリカの人はジュース類やチョコレートやクッキーやケーキなど甘
味が強い物の摂取量が特に多そうに感じるのですが、きれいな歯の人
が多いのは本当に不思議です。
理由について私の英語の先生に伺ってみたところ、誘因と考えられる
ものとして、以下のことを挙げてくださいました。

・6ヶ月ごとに定期検診を受け、虫歯の早期発見・早期治療に努める。
・水道水に虫歯予防のためのフッ素が入っている。
・食事の後まめに歯磨きをする。
・カルシウムを努めて摂る。

歯磨き用品売り場には、さまざまなデザインの普通の歯ブラシをはじ
め、部分磨きの各種歯ブラシ・糸ようじ・フロスなど口内をきれいに
するものの他、歯医者さんが使うような先が針状になっているデンタ
ルピックや口内鏡・虫歯治療の際に詰めてもらう薬や痛み止めの薬な
どもあり、必要に合わせて買うことができるようになっています。

日本人の女性でアメリカ人と結婚し、長くアメリカにいる人(65才
以上の方)に伺うと、「食事のあとは主人の影響で時間をかけて磨く
ようになりました。フロスで歯間を丁寧にきれいにするようにしてい
るせいか、アメリカでは虫歯になったことがなく、現在夫婦ともに虫
歯は一本もありません。歯の治療費が高いのも アメリカの人たちが
虫歯にならないように努めている理由だと思われます」と話してくだ
さいました。
ここでも自己管理の世界を感じます。


*6ヶ月ごとの検診の際の歯石取り

私が先週初めて歯の検診に行った折り、まずレントゲンを撮り、
それによると、歯石が多く歯茎の深い所までくっついていると
いうので、歯石取りをしていただきました。
「あなたはこれまでに歯石を取ってもらったことがありますか
?」と尋ねられましたので、「いいえ」と答えましたら、びっ
くりされ、「アメリカでは、6ヶ月ごとに検診し、そのときに
クリーニング(歯石を取ったり、着色を落としたり)をします。
歯石を取り除くと細菌が減り、虫歯予防に大変効果的です」と
いうことでした。

私はこれまでに一度も歯石取りをしたことがなく、大変時間が
かかり、半年ごとに歯石取りをしているアメリカの人が、15
分程で全ての歯が終わるところを、40分ほどかかって1/4
しか
できませんでした。
残りはあと3回に分けて、取っていただくことになっています。
しかも、歯茎のかなり深い部分までくっついている歯石を取り
除かなければならないので、痛みが伴うからというので、普通
の場合には使わない局部麻酔をしてから作業が始められました。

歯石取りが終わると、フッ素塗布をして作業は終わりました。
その後、歯間をきれいにするフロスや歯間ブラシの使い方を丁
寧に指導していただき、フロスなどのサンプルをいただいて帰
りました。
特に、「フロスはすべての歯間に必ずていねいに使ってくだ
さい」とのことでした。

80才を過ぎる方が虫歯が一本もなく白いきれいな歯を保たれ
ておられるのが、「虫歯など問題ができたら治す」というので
はなく検診の際のクリーニングなど積極的な虫歯予防からつな
がっていることを新たに実感しました。
(水道水にフッ素が入っていることも虫歯予防に貢献している
そうですが)

将来は入れ歯にならざるを得ないのかしら・・・と思っていました
が、これからは6ヶ月ごとの歯石取りを続けていって、死ぬま
で入れ歯を使わずに過ごしたいと強く思った次第です。

診察台にはうがいの設備がなくバキュームだけなのにびっくり
しましたが、うがいをしなくても、口内はうがいをしたのと同
様な感じがしました。
また、レントゲンを撮るときは、診察台の上で取ることができ
たのにもびっくりしました。
レントゲンの器具は、診察台横の壁の扉の中に入っていて、レ
ントゲン写真を撮るときだけ顔の近くに器具が延びてくるよう
になっています。
また、写真を撮る歯の箇所に当てる板状のものがついているも
のを口に加えると、それとつながっている円状のものが、顔の
上にくるようになっていて、レントゲンの焦点を当てる部分を
顔の上に示すようになっていました。
こうして撮った写真は、診察台横のディスプレイで瞬時に見る
ことができる(しかも大きく)ようになっていました。
こうした器具の違いにも驚きました。

*矯正

子供が通っている学校で、歯の矯正をしている生徒をちょくち
ょく見ていましたが、矯正をしている人は、日本に比べると多
いようです。たまたま、お子さん二人が歯の矯正中だという日
本人の方のお話を伺うことができましたので、ご紹介します。

矯正歯科へ毎月通われていますが、矯正器具に付けるゴムの色
が何色も揃っていて、毎回「今度は何色にする?」と尋ねられ
るそうです。クリスマスの時期には赤と緑を交互にしたりバレ
ンタインデーの時期にはピンクなど季節に合う色も選べるよう
になっていて、楽しみながら矯正ができるようになっているの
を見られて、矯正へのイメージが変わられたということでした。

*インプラント

これもこの頃初めて伺った話です。
歯の状態が悪くなった場合に入れ歯にしますが、アメリカでは
「インプラント」というやり方があるそうです。これは、歯の
支柱になる物をあごの骨の中に埋め込み、型どりした歯をそれ
にかぶせるやり方だそうです。
手術は痛そうですが、入れ歯のように出したり入れたりしなく
て良いし、ぐらぐらすることもないのではないでしょうか?

*親知らずの抜歯

先日主人が歯の検診に行き、レントゲン写真を撮った折り、
「親知らずの状況が悪いので抜きましょう」ということになり、
4本の親知らずを一度に抜くことになりました。
手術は、手術専門の歯医者さんで全身麻酔でやっていただきま
した。主人の話では、「親知らずがなくなってかみ合わせがよ
くなったのか、以前よりもよくかめる気がする」ということで
した。アメリカでは成人前に親知らずを抜く人が多いようです。


左上は、へらと虫歯の穴に詰める
薬の小さな容器。
左下は、ピックと鏡。
中央上は、糸ようじ
(糸の部分は緑色でミント味)
中央下は、フロス。
一番右は、普通の歯ブラシ。
右から2番目は、
Sulca brush(サルカブラシ)
と呼ばれ、ブラシの先の部分が円錐形に
とがっています。

歯と歯茎の境目を中心にブラシの
届きにくいところなどを磨くのにも
使われます。


【多様な支払い方法】

買い物をした場合、現金・カード・チェックという
3通りの支払い方法があり、好みのやり方で支払うことができます。
レジにはそれに対応するための器械も備えています。
(カードやチェックで支払う場合は、
現金よりも多少時間がかかります)
うちでは、食料品などは現金で、値段が高めのものを買う場合やお店専用のカードを持っている場合には、カードで支払っています。実際にカードやチェックを使ってみると、現金を持ち歩かなくてもよいし支払い用途の記録を残すことができるという利点を感じていますが、預金残高についての意識が薄れがちになるようです。

 ※チェックというのは小切手のことです。
  大きさは70× 152(ミリメートル)で、
  支払う時にチェックブックから切り離して渡します。
  利用者の名前・通し番号・銀行名に加え、日付・送金先・用途・
  サイン欄を書き込む欄が印刷されています。
  チェックを使う場合には、同時にチェックブックと対になって
  いる記録帳にも日付・用途・金額を記入します。
  日本では小切手は一般的ではありませんが、アメリカでは
  電気・水道・ガスなどの公共料金や家賃は、
  契約先にチェックを郵送するのが一般的です。
  クレジットカードの支払いも後で小切手を郵送するのが普通で、
  銀行引き落としは日本のように普及していません。

 ※新聞のチラシの中などに、「クーポン」というのが入っています。
  クーポンはその対象になるものを買う場合、支払う時に提示すれば
  値引きしてもらえるものです。日曜日に、盛りだくさんのチラシの
  中から買いたい商品のクーポンを見つけるのは、楽しみのひとつに
  なっています。


【利用者本位】

いろいろな場所で利用者の便利性に注目していると感じるものを見ることがありますが、ここでは郵便局を例にご紹介します。

*パスポートの手続きができる

この辺りの郵便局では、カウンターに郵便業務の窓口がいくつかあり、
普通4、5人ほどの局員が立って対応しています。
お客さんは並んで自分の番を待ち、番が来ると
声をかけてくれた職員のいる窓口に行くようになっています。
(アメリカの郵便局では預貯金の業務は行われていません)

この窓口の並んでいるカウンターとは別にドアの入り口があり、
パスポートに関する業務を行っています。
(郵便局によっては行われていないところもあります)
日本の場合、パスポートセンターが所々にしかないため、
行くのにかなりの時間がかかるケースも聞いていましたが、
家の近くの郵便局で簡単にパスポートを取ったり
更新することができるのは、大変助かると思います。

*宅急便を送る

どこの郵便局の玄関前にも“FedEx(フェデックス)”
という宅急便の会社の配送物受付の箱があります。
この箱の上部を開けると送付状と大小の封筒が入っていて、
自由に取り出せるようになっていますので、
自宅に持ち帰って必要な時に使うことが可能です。

※封筒の種類は、
 ・240× 316(ミリメートル)・・・厚手の紙製、
  重さが80オンス(2268グラム)までの物を対象。
 ・304× 393(ミリメートル)・・・薄手の紙製。
 の2種類が置かれています。
 送付状には、送り先・送り手についての書き込み欄の他、
 到着希望予定の時期についての項目や支払い方法について
 記入する欄もあり、自分で荷物に貼るようになっています。
 封筒の投入口は、約縦240・横 510(ミリメートル)です。

(主人によるとこの他に大きな荷物用の箱もあるということです。
 会社には集配にきてくれるそうで、取次店に持って行くこともできるようです)

この小包の受付箱は、次のような利点が考えられます。

・郵便局から送るものが他にもある場合に、
 まとめて用を済ますことができる。
・郵便で送る場合には順番待ちのために並ばなければなりませんが、
 フェデックスの場合、待たずに送ることができる。
・郵便局が閉まる夜間や休日に送ることができる。
・急ぎの場合や特に確実に届けたい物の場合、安心感が得られる。

*切手の自動販売機と秤

 アメリカの人は、支払いにチェックを郵送したり、グリーティング
 カードなどを贈り合う習慣があるため、切手は欠かせないようです。
 郵便局の窓口でも切手を買うことはできますが、
 窓口業務が行われている部屋の外に置かれた自動販売機でも
 切手を買うことができます。各種値段の切手が数枚ずつ
 1セットになって出てくるようになっています。
 窓口業務の部屋の入り口が閉まっても、郵便局の入り口は閉まらず、
 自動販売機で切手を買うことができるのは大変便利です。

  ※他にも、インターネットや郵便でも切手の注文を
   受け付けており、自宅に郵送してくれます。

 アメリカでは、封筒の大きさではなく
 重さで切手の値段が変わります。 
 自動販売機と共に置かれている秤と重さ別の料金表は、
 自動販売機を利用する場合、切手の値段を確認するのに
 役立っています。

紙幣 上から 20ドル(第7代大統領ジャクソン・10ドル(政治家ハルミトン)・5ドル(第16代大統領リンカーン)・1ドル(初代大統領ワシントン)。
大きさはどれも同じです。
コイン 上から 日本の10円・クオーター(25セント)・ダイム(10セント)・ニッケル(5セント)・ペニー(1セント)です。
右側にあるのは「チェックブック」。
電池のクーポン。1ドル値引きされる。
フェデックス投函箱。

【理想像を明確に】

ニュースやドラマなどには、白人のほか黒人・アジア人など、いろいろな人種の人が出てきます。
キャスターや俳優さんを登用するときには、意図的に同じ人種の人だけにならないようにと配慮されて
います。

こちらに長く住んでいる日本人の女性が「ときどき、差別されたのを感じたことがあります。アジア人
だからというのが理由のようです。差別はよくないこととされていても、人の気持ちはそう簡単には
変わりませんから」と話してくださったことがありますが、確かに人の心を修正するのは容易なこと
ではないと感じています。

様々な人が登場するテレビを通じて、人種に対する理想の考え方を明確に示すことは大変すばらしい
方法だと思いますが、テレビ以外でも日常的に道徳・倫理的なものや生き方の理想像が、
意識的に明確にされていると思います。

 ※色々な人種の人が混ざり合っている中で過ごし、黒人にはリズム感や陽気さや親しみ深さを・
  白人にはおしゃれ感やユニークな発想を・アジア人には手先の器用さや義理人情などの性質を
  感じるようになりました。

【情報公開】

*交通事故現場で

主人の車が追突され、後ろの車に乗っていた人が警察官が来る前に逃走してしまったことがあります。
事故現場に警察官が来て、初めて知ったことなのですが、パトカーの中にコンピューターの端末があり、
後ろの車のナンバープレートの番号から、車の持ち主やその車が保険に入っているかどうかなどと
いった情報が、すぐに調べられるようになっているのには驚いたそうです。
迅速な対応が要求される事故現場ならではのものかもしれませんが、番号から背後にある情報が
すぐにわかるこのシステムは、実際的で信頼できるものだと思います。

 ※ID(本人証明番号)・ソーシャルセキュリティナンバー(社会保障番号)
  運転免許証のIDナンバーや、ソーシャルセキュリティナンバーは、個人に付けられた番号で、
  本人の証明をする場合に必要なものですが、これらからも個人の情報がわかるようになって
  います。特に緊急時の場合には、番号で個人の情報を検索することができるこのシステムは、
  強い味方になるものだと思います。

*ホームページ

子供が行っているハイスクールの情報(行事の確認など)や出かける場所の情報などを知りたい時には、
それぞれのホームページにアクセスして調べることができます。ホームページに公開されている
たくさんの情報の中から、必要な事柄についての情報を得ることができますから、不慣れな上に
システムが違う場所で暮らす私たちには、心強い味方となってくれています。

*「少年犯罪」の報道

ハイスクールで起こったレイプの事件では、犯人の生徒の名前や顔写真などがテレビに出ましたが、
他にも少年が起こした発砲事件などの凶悪な事件の場合、大人同様に名前や顔写真が出る場合が
あります。これらは犯罪の抑制に役立っていると思われます。

【季節感と期間】

家が森のような環境の中にあるため、四季折々のいろいろな自然を
見てきました。次々に咲き出す春の花々・真っ赤な小鳥(カーディ
ナル)をはじめ明るい鳴き声の小鳥がやってくる春・松花粉覆われる
4月・緑蒸す初夏・サンダーストーム・5月末〜8月初めにとぶ蛍・
夜間のバッタの異様な鳴き声・ドアを開くと飛び込んで来る蛾・
秋の虫の鳴き声・秋口の茸の出現・鍵や竿の形に群れ飛んでいる雁・
部屋の隅々に張る蜘蛛の巣・秋から冬場にかけての「ギャーギャー」
というリスの鳴き声・テントウムシが家の中で発生する冬という風に
様々な自然の変化が見られます。これらを見ると、特に虫の時期が
長いように感じられますが、中でも蛍は2ヶ月以上も家の周囲で見る
ことができ、はかないものという日本特有のイメージがなくなって
きました。このように期間が長いのは、人々の時間に対する概念にも
影響を及ぼすのではないかと思われます。

例えば、ホリデーシーズンの飾りの場合、12月に入ると、
早速サブディビジョンの家々は窓やドアにリースなどの飾りを
つけたり、ポストにリボンの飾りをしたり、庭の植え込みや
軒先をライトアップしたり、天井近くまであるクリスマスツリー
(本物の木を切ったものを使う家もあります)を飾ったりして
クリスマスの準備に入ります。一方クリスマスや新年の休日が
終わった後、これらの飾りがすべて姿を消すのは1月中旬と、
飾る期間が長いです。そういえば、器械などがこわれて修理屋さんに
来てもらう場合の約束は、時間ではなく午前とか午後とかの
おおまかな単位になり、待つことも少なくありません。

木々や草花や虫などの自然から季節の移り変わりを身近に感じますが、
スーパーマーケットなどの商品から季節を感じることも多いです。
商品の中には上記のようなクリスマス用品など行事独特のものも
ありますが、例えばチョコレートの場合、
中身は一年中同じ物でも包みの色やデザインなどを行事ごとに変えて
います。(春の復活祭用にはパステルカラーのもの、秋の感謝祭用には
橙色・黒・茶などの色のもの、クリスマスには赤や緑や金や銀などの
色のものというように)食器類やろうそく立てをはじめとする装飾品
なども季節ごとにデザインが変わっているものもあります。
商業主義が先行している感じはありますが、季節感を感じたり気分を
盛り上げてくれる点で、これらの品物は生活を楽しくする効果が
大きいと思います。

家の庭の芝の上にニョキニョキ生えてくる茸(9〜10月)。


最後に
私たちが引っ越してきてからこれまでの約2年間に、アメリカ全体や
身の回りでは様々なことが起こりました。街のあちこちにも来た当時
には無かったもの(蛍光塗料の道路標識・車の形の子供向けショッ
ピングカート・新しくできたスーパーマーケット入り口近くに
設けられた屋根のある部分の車の乗降場所など)が登場してきました。


次々に新しいアイディアを感じるものが登場して来てすばらしいと
思う反面、時にはどんどん変わっていくのがめまぐるしく感じられ、
疲れるように思うこともあります。この調子で新しいものを取り入れて
いくと、この先いったいどこまで変わっていくのかしら・・と不安に
似たものを感じることさえあります。




スーパーマーケットの
子供向けショッピングカート
例えば宇宙人が登場したり魔法使いが現れたりする現実とはかけ離れた斬新な発想が次々に展開
されるSF映画を見たり、擬人化された動物が登場する印象が強いコマーシャルや映画を見たり、
刺激的な新しい味の物を食べたりすると、そのときには満足するのですが、その感覚に慣れてしまうと、
それ以上に刺激的な感覚のものが登場しないと、面白さやおいしさを感じられなくなりそうに思えるの
です。食品全般の味が塩分や糖分が強いのもその現れかもしれないと思ったりもします。

11月の新聞に“Sugar Nation(砂糖国家)”という見出しの記事がありましたが、アメリカのシンボルの
ひとつでもある自由の女神が、全身を角砂糖に埋め尽くされそうになっている大きな写真が印象的でした。
統計上、2001年の甘味料の消費量は1人平均147ポンド(約66,7キログラム)で1800年の200倍に当たり、
この劇的な増加の原因は、ソフト飲料・デザートやキャンディなどとなっていました。
確かにスーパーマーケットなどで売られているケーキ・ドーナツ・クッキー・チョコレート菓子・
キャンディなどは、日本の味に慣れている私たちには甘みが強過ぎるように感じます。そのことを
アメリカ生活が長い日本の女性に話したところ、はじめは「甘過ぎて食べたくない」と思っていたのに、
アメリカ人のご主人といっしょに少しずつ食べるようになっていくと、いつしかその甘さでないと
おいしく感じなくなったという話をしてくださいました。「肥満や糖尿病の人が多いので健康に
良くないというのは分かっているのだけど、慣れは怖いよね・・・・・・」ということでした。

引っ越し以来、折に触れてアメリカの人々の考え方を感じてきましたが、昔移民が新大陸に
求めた理念が今なお生きていると感じることが多いです。目指す理念をかかげ、意見やアイディアを
皆で出し合いながらより良い方向をめざして来たことが、今の住み良いアメリカにつながってきていると思います。

発砲事件や人種差別’・若年層の喫煙・エイズ・麻薬・アルコール
中毒・肥満・いっこうに減らない犯罪件数など、アメリカは様々な
問題を抱えています。こうした暗い面は日本でもよく紹介されて
いましたので、引っ越してきた当初は不安もありましたが、実際に
暮らしてみるとより良いものを絶えず求めて変わっていこうという
積極的な面に多く触れることができました。ときには、めまぐるしさ
さえ感じるほどの変わりようですが、この体質が続く限り、こうした
様々な問題もいつの日にか解決されていくのではないかと思います。


今月、ジョージア州出身のカーター元大統領がノーベル平和賞を
受賞されました。昨年9月のニューヨークのテロ以来の不穏な世界の
動きの中で、明るい希望を感じさせてくれる出来事でした。

12月10日授賞式で、カーター元大統領が受賞した「ノーベル平和賞(カーターセンターに展示)」。

ロサンゼルスからアトランタに引っ越して来られた方が、外国のような違いを感じる、と話して
おられました。アメリカは広大ですから、住む場所が違えば環境も人々の様子も違ってきます。
ここアメリカ南部のジョージア州の経済力は全米の中では中ほどで、私が住んでいるアトランタは
その中心部です。保守的で信仰が厚いクリスチャンが多く、現在のアメリカ文化の原点になっている
移民当初からの考え方が比較的多く受け継がれている場所だと聞きました。転勤で偶然ジョージア州で
暮らす機会をいただきましたが、アメリカ文化を知るためには絶好の場所だったのではないかと思って
います。

アメリカで暮らしてみると、日本の様子が以前よりもはっきり見えるような気がします。
アメリカ志向で生活様式や音楽などアメリカ型をどんどん取り入れている日本ですが、これは残念
ながら外から見える部分に留まっているようです。
例えば、長女と一緒に出掛けた場合 アメリカの人はドアを開いてお店に出入りするのを助けてくれ
たり、郵便局で受付の順番を早くしてくれたりしてくれますが、そうした行動の底には、弱者を手助け
するのは当然のことで、その状況に直面したら自分の判断に従って良いと思う行動をためらわずに実践
しないといけないという考え方が浸透しているように感じます。

日本でも障害者用のトイレなど、ハード面のバリアフリーは徐々に普及してきていますが、実際の
生活の場でさりげなく手助けする人はまだ限られているのではないでしょうか。
特に私がアメリカについて最も好ましく感じる正義感・機会均等・責任が伴う自由・子育て法(教育)
・厳しい自己管理などの基本となる考え方は、残念ながらほとんど持ち込まれていないのを感じます。
また、生活様式にアメリカ型を取り入れる一方で、日本古来の良いもの(道徳観などの考え方・
継承文化など)がどんどん捨て去られているようにも思われ大変残念な気がしています。

これだけ情報が自由に行き来する時代になりましたから、アメリカをはじめ世界中の国に目を向け、
各国が持っている良い部分は、外面に留まらずに内面的な部分も取り入れることが可能なのでは
しょうか。良い面を積極的に取り入れ、悪しき習慣は捨て去っていくという新陳代謝をする一方で、
同時に日本ならではのものも大事にしていくことができるなら、日本はさらに魅力的な国になる
のではないでしょうか。